どんな包丁を買うべきか

昨年、包丁を買う際に色々と調べてみました。
調べる前はGLOBALとか良いなぁと思っていました。鋼材にモリブデンが含まれていて医療用のメスと同じとかテレビでやっていたので、ほほぅと思っていたのですが、よく考えると医療用のメスって使い捨てですし、モリブデンが入っている鋼材なんていくらでもあるんですよね。まぁ宣伝上手ってことでしょう。

あ、GLOBALがダメと言っているわけではなく、コスパ重視のオイラの選択肢からは外れたということです。もち手と一体型なので衛生的にも良いですし、包丁としては悪くないものだと思います。

調べたことをまとめておきます。

包丁の質は鋼材で決まる

基本的に包丁の品質は鋼材で決まります。
大きく鋼とステンレスの2つに分かれるわけですが、鋼を否定するわけじゃないのですが、刃物マニアでない限りはステンレスの包丁で良いのではないかと思います。なんだかんだで錆びますし。鋼には鋼の良さがありますが、今回は対象外です。

ステンレスとしては、VG1,VG10,FV10,440cとかいろいろありますが、VG1やVG10あたりがバランスが良いようです。基本的に鋼材そのものを作っている包丁メーカーはないので、どっかから買ってきて作っていることになります。藤次郎やGlobalは鋼材の種類は明らかにしていませんが、まぁ、そんな特別なものは無いということです。

刃のことだけ考えると、そこそこ良い鋼材でお安い包丁がお得と言うことになります。
VG1かVG10あたりが、値段と性能のバランスが良くてお勧めです。

割り込みか全鋼か

もうひとつの要素が、割り込みか全鋼かということです。
割り込みというのは、刃の部分だけ別の鋼材を挟み込んでいるものです。全鋼は全体を同じ金属で作ってるということですね。切れ味として優れている鋼材が錆びにくいとは限りませんし、高価な鋼材を全体に使う必要も無いですから割り込みで問題ありません。包丁が小さくなるまで使うようなケースでは割り込みだと問題が出るケースがありますが、まぁ、どっちでも良いでしょう。値段的には全鋼の方が高くなります。研ぎの自由度という意味でも全鋼のほうが良いのかもしれません。

切れ味はどれも大差ない

一つ目の項目と矛盾するようですが、良く研げた包丁であれば、切れ味自体にはそれほど大差ありません。普通に使うレベルでは十分に切れます。ただ、切れ味の持続時間が違ったり、そもそも研ぎやすいかどうかで良い刃がつきやすいかどうかに差があります。また、昔はすごい質の悪いステンレスの包丁があったみたいですが、最近のステンレスは品質が高いのでステンレスだから切れないということはありません。包丁が良く切れなくて、、、という場合は砥石で研げば100均の包丁でも切れるようになるはずです。

包丁のサイズ・形状

1本買うなら、牛刀か三徳を買うことになると思います。
サイズは家庭で使うなら、牛刀なら21cmくらいがお勧めですが、たいていの家庭にある三徳包丁は18cmくらいだと思いますので、手が小さい人や女性には21cmだとはじめは少し大きく感じるかもしれません。牛刀は三得より刃がまっすぐな部分が短いので、同じ長さの三徳から乗り換えるよりは、少し長めにするか、今使っている包丁が三得なら素直に三徳で良いでしょう。台所のスペースが広くて、大き目の食材をガンガン切るような人は24cm以上の牛刀でも良いでしょう。

あと、良く切れるペティナイフを1本持っておくと子供の弁当を作るときとか、ちょっと野菜を切りたいとかいったときには重宝します。

口金の形状

口金というのは包丁の刃と柄の間にある金属の部分です。
これが無いものは柄の部分が腐食しやすかったり雑菌が触れたりするのであんまりよろしくないです。また、口金が刃と一体成型のもののほうが衛生上は好ましいようです。

柄の材質・形状

柄は木のものと、刃と一体成型のもの、ゴムのものなどいろいろありますが、個人的には金属より木のほうが滑らなくて良い気がします。まぁ好みですね。木の場合には、2本より3本の鋲で留めてあるほうが良いとされています。通常は、黒檀やパッカーウッドなどの硬くて水を吸わないものが使われています。あとは金属だと冬に冷たくてイヤという人もいるようです。


ダマスカスに意味はない

良くダマスカス包丁という波紋模様がついた包丁ががけっこうなお値段で売っていますが、なんかかっちょええと言うだけで意味はないようです。また、模様部分を研ぐと復活しないので、あんまりお勧めしません。

ということで、まとめますと以下の通りです。
  • そこそこの鋼材(VG1 or VG10あたりがコスパ良し)
  • 口金などのつくりが良いもの
  • 柄の材質が良いもの
  • 自分の使い方にあったサイズ
5000円程度出せばかなり良いものが買えますし、そこから上は趣味の世界ですね。
というわけで、オイラのお勧めはこの辺です。

藤次郎 DPコバルト合金鋼割込(口金付)

藤次郎のDPコバルトの包丁はどれもコスパが良くてお勧めです。それほどこだわりが無くて、迷ったならとりあえずこれを買っておけば良いでしょう。鋼材の種類は公表されていませんが、VG10ではないかと言われているようです。うちはペティナイフを買いましたが、VG1の包丁と比べても明らかに錆びにくいです。サイズにもよりますが、4000から6000円で購入可能です。柄が一体成型の藤次郎PROという上位モデルがあるのですが、値段はほとんど変わらず、こちらもお買い得なので、金属の柄が良いという人にはお勧めです。ただ、PROは少し軽いので好みは分かれるかもしれません。自分はもうちょい重いほうが好みです。

Gサカイ 空 http://www.gsakai.co.jp/jp/_shop_bin/shop/gsakai/ku/kuvg1.html

うちにあるのはここの21cmの牛刀です。Gサカイを知っている人はあまりいないかもしれませんがナイフメーカーとして非常に有名な会社です。鋼材のデータとかを公表しているのが個人的には好感が持てます。 空シリーズはVG1を使った包丁で、作り、コスパとも申し分ありません。VG1は水滴がついたまま放置しておくとほんのちょっと錆びが浮くことがありますが、普通の使い方をしていれば問題無いでしょう。非常に研ぎやすく、砥石で研いであげると簡単に良い刃がつきます。Amazonでバンバン売れている藤次郎と比べてしまうと、コスパ面ではちょっと劣るかもしれませんが、お勧めです。

ネオヴェルダン 三徳包丁 165mm NVD-01

今ものすごいボロい包丁を使っていて、ぜんぜん切れない。買い換えたいけど、とにかく安いのが良いという人はとりあえずこの辺を買ってください。普通に切れると思います。




さて、どれを買っても、必ず必要なのが砥石です。
どんなに良い包丁でも使ってるうちに切れなくなります。
砥石もピンキリなのですが、ステンレスの包丁にはセラミックの砥石をお勧めします。特にVG10はちょっと研ぎ辛いので普通の人にはセラミックの砥石が必須でしょう。詳しいことは次の記事に書こうと思いますが、とりあえずシャプトンを買えば間違いないです。
M5のオレンジで十分なのですが、何故かAmazonでは上位モデルの刃の黒幕と値段が大差が無いので刃の黒幕でも良いでしょう。


 ということで、次回は砥石の話。

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